主催:全国シニアライフアドバイザー協会
後援:(財)シニアルネサンス財団

3月27日(土)・28日(日)の両日、全国8か所にて開設しました電話相談「シニアの悩み110番」では、610件の相談を受けることができました。相談結果がまとまりましたので、ご報告させていただきます。

今回の相談内容に関しましては、「夫婦・家族」に関する相談件数が全体の3割を占めました。夫婦・家族問題は相談内容が多岐に亘りますので、どれに焦点を合わせてご報告をしたらよいか、実際どの相談も重要かつ深刻で、絞り込むのに苦労いたしました。核家族化の進行での家族関係の悪化や長寿社会に伴う介護問題、また不況を反映して働きたくても仕事がなく「生活苦」に陥っている問題等がありました。

なかでも一番強く感じたのは「一人暮らし世帯」についてです。
今回相談者が誰と住んでおられるか、「夫婦世帯」か「一人世帯」或いは「家族同居」か「暮らしの形態別」で相談内容がどう違うかを検証してみました。その結果、「一人世帯」生活の厳しさをまざまざと知りました。今回も明らかに「認知症初期症状」と思われる人からの電話が全国的にありました。内閣府から「一人世帯」は「他人との接触」も少なく、「頼れる人がいない」割合が高いという結果が出ていますので、早急に彼らを地域で温かくサポートするシステムの必要性を切実に感じました。

私ども全国シニアライフアドバイザー協会では、引き続きシニアの自助自立をサポートする活動を続けるとともに、行政、企業と市民のインターフェイスとしての役割を果たす所存です。

■ 日 時 平成22年3月27日(土)・28日(日) 10:00〜17:00
■ 場 所 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福山・福岡 計8か所
■ 相談員 シニア ライフ アドバイザー

■ 相談者数/610人

◇性別/男性…156人(25.6%)、女性…454人(74.4%)

 
男性の相談者が多いのも特色のひとつです。核家族化が進む中で、家族に頼れず、自分自身で解決せざるを得ない状況に追い込まれているようです。

◇年齢別区分による順位

 
順位 年齢 人数
1位 70〜74 138人
2位 65〜69 117人
3位 60〜64 104人
4位 75〜79 95人
5位 55〜59 59人
6位 80〜 56人
7位 〜54 41人
   
 
相談者の年齢では前期高齢者(65歳〜74歳)が255人(610人中)でトップでした。
続いて後期高齢者(75歳以上)が151人で、相談者の3分の2が65歳以上でした。
今年から年齢別の項目に「80歳以上」を加えました。結果56人から相談が寄せられましたがその殆どが女性の一人暮らしで、身寄りのない人も多数おりました。自力でなんとか頑張ろうとしている姿勢には感服しましたが、地域で安心して暮らせるためのサポートを考える時期にきていると思います。

■上位5項目  
1位 家族・夫婦 164件
2位 経 済 76件
3位 健康・医療 68件
4位 住 居 50件
5位 相続・遺言 45件


――今さら離婚! されど離婚!――
相談件数全体の約3割に当たる164人から「家族・夫婦」の相談がありました。男女比率では、圧倒的に女性(132人)からの相談が多く、相談内容は自分自身の悩みよりも、親、夫、子どもに関する健康や病気、介護の心配をする内容が半分以上を占めました。
特に目立ったのは「離婚」についてでした。男性は「離婚」後に感じているむなしさや寂しさを訴えてきましたから、離婚について消極的であることがうかがえます。
「離婚」を望んでいるのは圧倒的に女性です。理由は様々ですが、実際には離婚をしたいと思っていても、「経済的」な面や「世間体」を考えると諦めざるを得ないというのが現実であるようで、悶々と日々を過ごしている様子がうかがえました。なかには長年「家庭内別居」の形で暮らしていて、身体の不調を起こしている人もいました。
――親離れ子離れが出来ない――
核家族化が進み、家族間のコミュニケーション不足で悩んでいる家族がいる一方で、親離れ子離れが出来ない親子も浮き彫りになりました。 すでに子供が独立して生活しているのに、いつまでも心配が絶えないと悩む母親からの電話や、子供がリストラされたなどで働かないために経済的援助をし続けている、その結果親の生活が圧迫されていると苦しい胸のうちを打ち明ける電話等、相談内容を通して子供に対する親の過度の世話、子供側も親を当てにしている風潮を感じました。親世代は今まで頑張ってきたのに、さらにサポートをしなくてはならないのでしょうか。


――生活苦に悩む人が年々増え続けている――
数年前までは3月の電話相談は「年金」の仕組みや、年金をより上手にもらえる方法はないか等の相談が多かったのですが、去年あたりから不況の影響と思いますが「生活苦」で悩んでいる相談がぐんと増え、深刻さが増してきました。
少ない年金を補てんするために働きたいと希望していても、若い人に仕事が回ってしまいシニアが雇ってもらえないという不満の声、年金が少ないのに介護・医療保険料が高くなり、手取りが少なくなって困ったとの苦情、病気がちで医療費が生活を圧迫して困窮しているので、何か公的援助はないかと聞いてくる人など様々でした。


――いまだ改正されない保証人問題――
迷惑をかけたくないので、自分の健康不安を家族に言えずに、相談員に訴えてくる電話や家族の疾病を心配する電話が多くありました。 また病気になった場合、保証人がいないために治療が受けられない人からの相談は大変深刻で、後見人・NPO法人などを利用するシステムがあっても、その代金が払えなくて、いまだに必要な治療が受けられないとの訴えがありました。
10数年前から「保証人」問題の解決をこの電話相談の「ニュースリリース」で提言し続けていますが、いまだ改正の兆しが見られません。 政府は本腰を入れて保証人の改正に取り組んで頂きたいと切に願います。

―ひとり暮らし世帯を社会全体でサポートしよう―
 NPO法人やボランティア団体も活用して

今回初めての試みとして「暮らしの形態」別にシニアの悩みの検証を行ってみました。
検証結果は下記の通りです。詳細資料「暮らしの形態別集計表」<PDF>はこちらから

 
夫婦世帯 一人世帯 家族同居
185人 263人 162人
30.3% 43.1% 26.6%

このなかで注目したいのは「一人暮らし世帯」です。
昨年12月に「内閣府」が発表した「高齢者の生活実態に関する調査」結果報告書には、「一人暮らし世帯」は会話の頻度が少ない人が多く、また困ったときに頼れる人がいない割合も多いと記されていましたが、今回の電話相談でも、身近に相談相手も話し相手もいないケースが多く『一人暮らしで何日も話をしていないので、とにかく話を聞いて欲しい。生きがいをどうしたら探せるか。心穏やかに暮らすにはどうしたらよいか。』という相談が全国的に寄せられました。
他の相談者に比べて一人当たりの相談時間が長くかかったのも、日常、話す機会が極めて少ない所以かもしれません。

相談内容は、家族、健康、経済、住居等、多岐分野に亘り、寿命から考えても当然ですが女性が圧倒的に多く、80歳を超えている人も少なくありませんでした。
現在まで頑張って生きてきたのに連帯保証人等、自分では処理できない問題に遭遇し、力尽きてしまいそうという身寄りのない一人暮らしの相談者の訴えは切実です。
また、明らかに「認知症初期症状」また「うつ病」だと思われる人からの電話も、昨年辺りから目立っています。人付き合いがない、身寄りがない人は自分の症状に気付かずに過ごしているケースも少なくありません。
地縁・血縁の絆が強く、お互いに助け合っていた十数年前と今を比べますと世情が大きく様変わりしています。

頑張っている「一人世帯」を地域で温かく支えていくシステムを考え、出来るところから具体的に実現化していく必要を強く感じます。 行政のサポートの重要性はいうまでもありませんが、ボランティア団体等をうまく活用することで、なんらかの光明が見えてくるに違いありません。

区分 件数 性別 シニアライフアドバイザー協会 誰について
北海道 東北 関東 中部 関西 東中国 中国 九州 本人 家族等
健康・医療 68 18 50 9 5 21 8 12 2 4 7 57 11
介護・福祉 28 10 18 7 0 3 5 5 2 5 1 12 16
年金・保険 29 11 18 1 2 9 3 3 0 7 4 25 4
経 済 76 25 51 13 3 14 12 6 11 6 11 50 26
成年後見 16 3 13 2 1 3 2 2 0 1 5 11 4
遺言・相続 45 7 38 17 1 10 4 3 7 1 2 27 19
家族・夫婦 164 32 132 26 22 49 14 19 3 15 16 54 110
住 居 50 9 41 6 2 18 7 6 1 3 7 42 8
人間関係 20 0 20 4 0 2 5 5 2 1 1 17 3
生き方 37 9 28 9 3 7 8 4 3 2 1 34 3
仕 事 13 5 8 1 4 2 2 4 0 0 0 10 3
消費生活 3 2 1 1 0 1 0 0 0 0 1 2 2
終末期 19 6 13 3 5 5 1 5 0 0 0 12 6
その他 42 19 23 1 1 8 11 4 3 8 6 32 10
合計 610 156 454 100 49 152 82 78 34 53 62 385 225
 
区分 合計 性別 平成21年9月の順位
順位 件数
家族・夫婦 1 164 32 132 1
経 済 2 76 25 51 4
健康・医療 3 68 18 50 2
住 居 4 50 9 41 7
遺言・相続 5 45 7 38 5
その他 6 42 19 23 9
生き方 7 37 9 28 3
年金・保険 8 29 11 18 8
介護・福祉 9 28 10 18 6
人間関係 10 20 0 20 10
終末期 11 19 6 13 12
成年後見 12 16 3 13 13
仕 事 13 13 5 8 11
消費生活 14 3 2 1 14
合計 610 156 454