主催:全国シニアライフアドバイザー協会
後援:(財)シニアルネサンス財団

平成23年9月24日(土)・25日(日)の両日、全国7ヵ所(東北不参加)で開設いたしました「シニアの悩み110番」は、481件の相談を受けることができました。電話相談の結果がまとまりましたので、ご報告させていただきます。

今回は、次の3点が特筆すべき事項と思われます。

  • 先が見通せない世界的不況への不安が、経済(年金、資産等)だけでなく、家族関係(失業等)や精神面(うつ病)までも悪化させています。
  • 男性の相談者が急増していることです。退職後、地域や社会に馴染めず、家族との関係もままならない結果、引きこもりがちになり、社会から遮断された寂しい日々を送っていると訴える相談が目立ちました。
  • 「保証人」問題です。件数的には上位を占めません(住居5位)が、毎回深刻な相談が寄せられます。核家族が一般化している今、三世代、四世代で住んでいた時代とは家族間の 絆が薄れてきていることは切実に相談内容から察せられます。 加えて高齢化が進めば、保証人になってくれる人が見つけにくくなります。特に一人暮らし世帯はそれが顕著です。「入院」「手術」「住居賃貸契約」「施設入居」等どれも切実な問題です。保証人を引き受ける民間業者も出てきていますが、トラブルが多いようです。 契約者側に有利な今の契約を見直し、契約者する側にも立った「新たな保証人制度の構築」を急がなくてはなりません。

「夫婦世帯」「一人世帯」、「家族同居」の3形態の暮らし方で、相談内容がどう変わるのかについても検証しました。協会では引き続きシニアの自助自立をサポートする活動を続けるとともに、行政、企業と市民のインターフェイスとしての役割を果たす所存です。

――「シニアの悩み110番」の結果についてのお問い合わせは下記まで――

東京都千代田区九段南3−5−10−3F (財)シニアルネサンス財団内
「全国シニアライフアドバイザー協会」
Phone:090−5999−7662(石寺)
E-mail:slanet428zenkoku@gmail.com
事務局担当/石寺 弘子

■ 日 時 平成23年9月24日(土)・25日(日) 10:00〜17:00
■ 場 所 札幌・東京・名古屋・大阪・広島・福山・福岡の計7都市(仙台不参加)
■ 相談員 シニアライフアドバイザー

■ 相談者数/481人

区分 件数 性別 シニアライフアドバイザー協会 誰について
北海道 関東 中部 関西 東中国 中国 九州 本人 家族 友人等
健康・医療

51

13

38

4

17

7

4

0

4

15

37

14

0

介護・福祉

32

8

24

6

11

7

3

2

0

3

15

16

1

年金・保険

24

13

11

2

9

4

3

1

3

2

23

1

0

経 済

43

23

20

0

17

5

7

6

2

6

33

10

0

成年後見

5

2

3

1

1

1

1

0

1

0

2

2

1

遺言・相続

61

12

49

4

27

5

9

4

6

6

49

11

1

家族・夫婦

112

18

94

23

35

10

19

4

6

15

46

65

1

人間関係

22

3

19

2

6

3

1

4

3

3

14

1

7

終末期

24

5

19

7

6

6

2

1

0

2

22

1

1

住 居

42

10

32

6

18

6

6

0

1

5

39

2

1

生き方

29

5

24

8

10

1

3

1

0

6

27

2

0

仕 事

5

3

2

1

1

0

0

0

0

3

4

1

0

消費生活

3

1

2

0

0

1

0

0

1

1

3

0

0

その他

28

15

13

2

13

0

9

0

1

3

21

3

4

合計
481
131
350

66

171

56

67

23

28

70

335
59
17

 

◇性別/男性…131人(27.2%)、女性…350人(72.8%)

ついに男性相談件数が全体の3割に
今年3月の電話相談では、相談者の男女比は、男性が15%、女性が85%でした。年々男性の相談者が増えていますが、今回は7都市の内、4都市が3割を超え、福山では4割でした。

◇年齢別区分による順位

順位 年齢 人数
1位 70〜74 108 (22.5%)
2位 65〜69 107 (22.2%)
3位 75〜79 102 (21.2%)
4位 60〜64 71 (14.7%)
5位 80〜 47 (9.7%)
  • 今回は70歳〜74歳が1位となりましたが、65歳〜69歳、75歳〜79歳からの相談件数もほぼ同数でした。加齢が進むに伴い、悩みが複雑且つ深刻化し、解決の道が見つけづらくなっている現れだと感じました。注目したいのは、80歳以上の相談者が全体の約10%を占め、健康、医療、経済、相続、死後の問題等多岐に亘る不安を抱えながら日々を過ごされています。全体的には不況による先行き不安が経済や家族に影響を及ぼし、気持が萎えている印象が強かったです。
  • 女性の相談の1位は、今回も「家族・夫婦」問題でした。夫婦間では不仲やDV(暴言:暴力)の悩み、家族では親子関係が崩れ、寂しい、つらい日々を送る切なさを訴える相談が目立ちました。2位は「遺産・相続」で、その背景には親子間、夫婦間の信頼性の有無が関係しているように思われました。
  • 男性の場合、1位は「経済」で、年金生活への不安や仕事が見つからないあせりなど。2位は「家族・夫婦」で、子供との交流がない寂しさや働かない子供への心配等の悩みがありました。社会(政治・行政)への不満が多かったのも今回の特徴でした。

区分 件数 性別 年齢区分(歳) 誰について
45
45〜
49
50〜
54
55〜
59
60〜
64
65〜
69
70〜
74
75〜
79
80〜 本人 家族 友人
健康・医療

51

13

38

1

0

4

2

9

10

8

14

3

37

14

0

介護・福祉

32

8

24

0

1

2

1

6

6

4

7

5

15

16

1

年金・保険

24

13

11

0

1

0

0

3

5

7

5

3

23

1

0

経 済

43

23

20

1

0

1

2

4

14

11

8

2

33

10

0

成年後見

5

2

3

0

0

0

1

0

1

2

1

0

2

2

1

遺言・相続

61

12

49

0

0

3

2

9

8

19

12

8

49

11

1

家族・夫婦

112

18

94

0

0

1

6

13

28

22

29

13

46

65

1

人間関係

22

3

19

0

0

0

1

3

7

5

2

4

14

1

7

終末期

24

5

19

0

0

0

2

2

5

8

4

3

22

1

1

住 居

42

10

32

0

0

1

0

5

9

13

12

2

39

2

1

生き方

29

5

24

1

0

1

2

7

8

3

5

2

27

2

0

仕 事

5

3

2

0

0

1

2

0

2

0

0

0

4

1

0

消費生活

3

1

2

0

0

0

0

0

0

2

1

0

3

0

0

その他

28

15

13

0

1

0

2

10

4

4

2

5

21

3

4

合計
481
131
350

3

3

14

23

71

107

108

102

50

335
129
17
 

27.2

72.8

0.6

0.6

2.9

4.8

14.8

22.2

22.5

21.2

10.4

69.6

26.8

3.5

年齢別順位 

8

8

7

6

4

2

1

3

5

 

■上位5項目  
1位 家族・親族 112件

2位

相続・遺言 61件
3位 健康・医療 51件
4位 経 済 43件
5位 住 居 42件

1位 家族・親族
――年を追うごとに孤独、孤立を感じる人が増加――

毎回、相談件数が一番多いのですが、一人暮らし、夫婦世帯、家族同居、どのような暮らし方であっても孤独感、孤立感をひしひし感じておられます。意思疎通をしたい配偶者や家族が頼りにならない厳しい現実があり、気軽に相談や悩みを打ち明けられるツールとして有難いとの声がありました。

2位 遺言・相続
――不況による将来の経済的不安、家族間の疎遠が不安を増幅――

弁護士に相談するほどでもない内容が殆どで、無効にならない遺言書の書き方や将来起こり得る相続問題に対しての知識を得たいという要望がありました。 最近多いのは「特定の人に相続させたい」という相談で核家族化が進むにつれ、真に世話をしてくれる人に遺産を残したい気持ちが募っていくようです。

3位 健康・医療 / 4位 経済 / 5位 住居
「健康・医療」は毎回上位を占めますが、今回目立ったのは医療不安並びに医者への不信感でした。「うつ病」の方も増えており、生活苦がその原因となっている場合も少なくありません。
「経済」では年金支給額に対して介護保険料や健康保険料が高いとの訴えもありました。
「住居」で圧倒的に多いのは保証人がいないために転居や施設への入所ができない悩みで、公的機関が肩代わりする制度を早急に構築する必要があると強く思います。。

区分 合計 性別 今年
3月の順位
順位 件数
家族・親族

1

112

18

94

2

相続・遺言

2

61

12

49

1

健康・医療

3

51

13

38

3

経 済

4

43

23

20

9

住 居

5

42

10

32

7

介護・福祉

6

32

8

24

8

生き方

7

29

5

24

4

その他

8

28

15

13

6

終末期

9

24

5

19

11

年金・保険

10

24

13

11

12

人間関係

11

22

3

19

5

成年後見

12

5

2

3

10

仕 事

13

5

3

2

13

消費生活

14

3

1

2

14

合計
481
131
350
 

「夫婦世帯」「一人暮らし世帯」「家族同居世帯」の3形態の暮らし方で相談内容の相違を検証しました。
相談件数では「一人世帯」252件(52.4%)、「夫婦世帯」121件(25.2%)、「家族同居」108件(22.5%)でした。
どのような暮らしの形態であっても、奥底に「孤立」の深刻さを感じておられます。

  • 「一人暮らし世帯」の相談件数は全体の半分5割を占め、前回は70歳〜74歳が一番多かったですが、今回は65歳〜69歳、75歳〜79歳がトップで同数でした。「一人暮らし世帯」は男女ともに増加していますが特に男性の比率増加は顕著です。「一人暮らし世帯」が持つ共通の悩みは保証人問題です。親子関係の悪化に加え、本人を取り巻く兄弟や親族も高齢になっているため、保証人がいないのです。
  • 男性の場合は、長い先行きの生活、費用への不安、施設入居をどうするか。また、社会との繋がりがなく孤立してやりきれなさを感じている。女性の場合は、子供と疎遠だったり、頼りに出来ない辛さを訴えるケースが目立ちました。
    「夫婦世帯」では、夫が亡くなった後、遺族年金だけでは妻が生活出来ない心配の相談が双方から寄せられました。その他、親の介護に協力してくれない不満や老老介護の苦しさを嘆く相談等が寄せられました。
    「家族同居世帯」
    では、同居している家族との折り合いが悪く居場所がないつらさを訴えるとともに子供の失業やうつ病などで経済的、精神的負担に耐えかねている相談も少なからずありました。
区分 件数 性別 暮らしの形態別
夫婦世帯 一人世帯 家族同居
家族・親族

112

18

94

33

42

37

相続・遺言

61

12

49

16

32

13

健康・医療

51

13

38

16

25

10

経 済

43

23

20

11

19

13

住 居

42

10

32

5

31

6

介護・福祉

32

8

24

9

16

7

生き方

29

5

24

8

17

4

その他

28

15

13

5

16

7

年金・保険

24

13

11

10

9

5

終末期

24

5

19

2

21

1

人間関係

22

3

19

3

16

3

成年後見

5

2

3

0

5

0

仕 事

5

3

2

2

2

1

消費生活

3

1

2

1

1

1

合計

481

131

350

121

252

108

 

27.2

72.8

25.2

52.4

22.5

―一人暮らし世帯(特に男性)を引きこもらせない対策を―

団塊世代の前期高齢者(65歳)突入を踏まえて
内閣府発行の平成23年版「高齢社会白書」にも報告されているように、高齢者のいる世帯は日本全体の4割を占め、そのうち「単独世帯」「夫婦のみの世帯」が過半数で、1980年と2009年を比べますと、いわゆる「一人暮らし世帯」は10.7%から23.0%に増加しています。その中でも、男性の一人暮らし比率の増加が顕著で、2005年の9.7%から2030年には17.8 %に推計すると報告されています。

このように、男性の一人暮らしが今後著しく増えるのは、来年から「団塊世代」(昭和22年生〜昭和24年生)が毎年100万人単位で前期高齢者(65歳)になる時期が到来したこと(因みに彼らが後期高齢者75歳になるのは2020年から)と、男性の平均寿命がどんどん延びていることによるものと思われます。

今回9月の電話相談の結果でも明らかになりましたが、一人世帯からの相談が全体の50%を超え、また男性からの相談件数も15%から30%に増加しました。相談できる人やツールを求めている男性が増えていることの表れでしょうか。

一人暮らし世帯、特に男性の場合、近所づきあい、友人づきあいが少ないと「高齢社会白書」でも報告されています。社会や人との繋がりを持たない結果が「情報難民」に陥る誘因となっていると考えます。

今回の電話相談でも、事前に知識(成年後見制度・介護保険制度など)があれば解決できたかもしれない、或いは悩みが軽減できたかもしれないと思われる例が多々あります。メディアの方々には、単なる情報の伝達に留まらず、高齢者向け情報を定期的に、わかり易く紹介する紙面や番組を是非組んで頂きたいと切にお願いします。

また、地域での見守りや生活支援なども徐々に進んでいますが、退職後、スムーズに社会参加が出来るような仕組みや啓蒙運動を推進して引きこもりを防ぐ対策を地域や行政で早急に取り組んで頂きたいと思います。

【 特 記 】
大震災後、精神的、経済的にどのような変化があったかを全協会で検証しました。結果をみますと、大震災関係の相談は1件しかなく、震災で一人になってしまった後期高齢者からの相談でした。
(今回私たちの協会に寄せられた)相談者の悩みは「震災の不安」よりはむしろ「世界的経済不況や政治への不安・不信」によるものが多いと実感しました。