シニア ライフ アドバイザー(以下 SLA)とは、当財団事業の柱である中高年齢者総合生活相談員養成事業、すなわちSLA養成講座を終了し、かつ資格審査の合格者に当財団が付与する資格です。この資格は、中高年齢者の生活に関して総合的に相談を受けることができる相談員として技能を修得した証なのです。

高齢者比率が高くなるこれから、中高齢者が明るく安心して生活するには、自らが抱える問題を自らの手で解決できるだけの知識と、お互いに知恵と楽しさを享受できるネットワークを持ち、自助自立を基本とした生活設計を自らの手で立てることが必要となります。この自助自立の心構えをいかに育むか、そして実践するだけの条件をいかに整えるか。ここにわが国が直面する超高齢化社会の活路があるといっても過言ではないでしょう。シニア ライフ アドバイザーはこれらの推進役として活躍します。

当財団では平成5年2月、東京において第1回SLA養成講座を開講して以来、平成6年には2回目を東京のほか、大阪・名古屋、翌年の3回目では仙台・広島を加え、さらには福岡・岡山を加えた7ヶ所で開講してきました。
現在までに誕生しましたSLAの総数は1,994名におよび、各地で活躍致しております。またSLAは、資格取得後も相談業務に一層精進するための特別講習を受講し、的確な相談活動ができるよう日々研鑚に努めています。

 
 
財団が設置する「シニア電話相談室」におけるシニアライフ全般に関する電話相談。
財団本部および支部に併設するインフォメーションセンターでのシニアに関する情報収集ならびに提供などの職務遂行。
財団またはSLAが主宰する「シニア生き生き教室」の企画、運営および講師。
財団が主宰する「シニア商品研究会」においてのシニア商品に関する調査、研究。
行政または企業が開催するイベントや講演会などの企画、運営および講師。
雑誌、機関誌などからの依頼原稿執筆および広報誌の企画、編集、執筆。
「シニア生き生き教室」や「パソコン通信(主にインターネット)」を活用したシニアネットワークづくり。

周知のように、わが国はいよいよ本格的な超高齢社会に入ってきました。そして、日本人ならば凡そ誰もがかつて経験したこともない長いシニア期を歩むことを意味します。
この期間を健康で経済的困難がなく、生きがいを持って生き抜くことは大変なことですが、それだけにそれを実現することは最大の幸せというものでしょう。既にシニア期にある人は勿論、やがてシニア期に参入する人も先ずシニア期を立派に過ごす気構えと自助自立の努力が何よりも必要となります。幸いにして誰でも第一の人生で蓄積した豊富な知識や経験があります。それらをベースに活用・再生〈ルネサンス〉することが先ず第一の有効な手だてとなることは間違いありません。

来るべき未曾有の高齢社会は、誰にとっても計り知れない不安が付きまとい危険も多すぎます。一人一人の知識や経験だけで乗り越えられるような生易しいものではないでしょう。こうした場合、諸先輩方の話しを聞いたり、同憂者と語り合ったりアドバイスを受けたりすることがとても重要になります。相談し合うことです。解決を求めて活動することです。気軽にかつ真剣に。
SLAは、このようなシニアの人々が抱えるさまざまな不安や具体的なトラブルを取り除くために直接相談に応じ、そしてアドバイスを与える役目をするのです。

現在活動中のSLAの中には、自ら「生き生き教室」を主催して聴衆とともに定年退職後のシニア問題を探る研修会を持つ人、講演会に招かれて得意分野の講義をする人、他と語り合って啓発誌を作成する人、などがあり相談活動様式はさまざまです。すなわち、SLAの活動は相談に関する質問に個別に応じ回答するだけでなく、広い意味の相談啓発を通してシニアの人々の自助自立、相互協力を促しているのです。しかも、このSLAの活動が官制のものではなく、民間の人々の発意と熱情から出発していることが注目されています。
この講座は、クライアント(相談を依頼する人)が持ち込む相談に適切に答え、かつアドバイスしうる基礎知識や技能を修得していただく他、自らの創意工夫によってシニアルネサンス活動を展開していく方法・能力を身につけられるように設計してあります。