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No.66/2014.8.25(月)発行
発 信/SLAとうきょう

<小さな特集> 26年「高齢社会白書」から
地域で、共助の社会

  この7月末、内閣府主催の「高齢者フォーラムin東京」を聴く機会がありました(協力・高連協)
  今回の全体テーマは、全員参加型社会をめざして〜多世代が経験を分かち合う〜。
  基調講演の堀田力さん(さわやか財団会長)は、「あたたかく助け合う地域社会へ」と題して、あたたかい共生社会(文化)をつくりこと。「何もしないでいるのが、恥ずかしいと思える社会を創出することです」と強調。もう一人の基調講演者、樋口恵子さん(高齢社会をよくする女性の会理事長)は、「全員参加型社会を目指して」と題し、100歳以上が8万人。人生100年の時代に向かっている。急ぐことはない。「スピードを落とそう!」と呼びかけ、「今だけ、カネだけ、自分だけ」の社会から、これからは、「未来も、おカネも皆のため」の社会への転換を! 遠距離介護にはムリがでる。「介護も地産地消のケアで」など、多世代にわたって地域で共助する社会をつくろうと提言しました。
  基調講演に先立って、宮本悦子・高齢対策・少子化対策担当参事官から、最新版「高齢社会白書」より抜粋した各地の事例を含めた解説がありましやが、今号では、その中のいくつかの「気になる!傾向の数字」を拾って小特集としました。たかが、統計、推計、されど・・・。

★たかが平均寿命、されど・・・人生90年時代へ
  平成24(2012)年現在の男性の平均寿命は79.94とほぼ80年に届き、女性は86.41。将来推計によれば、平成72(2060)年には、まず女性の平均寿命が90年を超える見通し。
男性は★「泣く区市」、女性は★「ハロー!良い」と覚えましょうか。
  男性の平均寿命が80歳に到達したことが記憶されようが、昨今は、数年まえから発表されるようになった「健康寿命」に関心がよせられている。日常生活に支障なくおくれる平均年齢のことをいい、男性が70.62歳、女性は73.62歳とだいぶ平均寿命より短い。実はこれが「気になる」ところで、差し引いた歳月は、介護や入院が必要な期間というわけだ。平成12(2001)年から22(2010)年間の「健康寿命」の延びは、平均寿命の延びに比べて小さい。
  「何らかのケアが必要とされる時期」を、いかにクリアーして健康で過ごすか?だといえる。


▲「川越・蔵づくりの店」 藤木 亘「小さな画室」より/絵手紙ページはこちら

★男性も「人生80年代」。女性は90年代へ
  日本人男性の平均寿命もついに80歳を超えたことは、特記すべきだ。日本は男女ともに「人生80年代」に入ったことになる。女性は世界一の座だ。
  日本人の平均寿命は戦後間もない1947年(昭和22年)には、男性が50.06歳、女性が53.96歳だった。70歳を超えたのは、女性が1960年(昭和35年)、男性が1971年(昭和46年)。そして30年前の1984年(昭和59)年に、女性がついに80歳を超えた。
  個人差はあるが、自分の両親や祖父母の亡くなった歳を思いおこしてみると、実感しやすい。生きた時間の長さの問題でないことは、誰しもわかっているが・・・。

★家庭介護は、6割以上が同居の家族(女性)
  要介護者からみた主な介護者の続柄は、6割以上が同居している人で、配偶者が25.7%、子が20.9%、子の配偶者が15.2%。性別では男性の30.6%に対して女性が69.4%と断然多い。また同居している主な介護者の年齢は男女ともに6割以上が60歳であり、いわゆる老老介護のケースが相当数にのぼっている。では、介護を受けたい場所は?

★最期を迎えたい場所は「自宅」が半数以上
  「もし介護が必要になった場合にどこで受けたいか」を聞いた。男女とも「自宅で介護してほしい」ひとが最も多い。男性42.2%、女性30.2%と、男性のほうが自宅介護を希望する割合が高く、自宅以外では@「介護老人施設に入所したい」(男性18.3%、女性19.1%)、A病院などに医療機関に入院したい(男性16.7%、女性23.1%)B「介護老人保健施設」(男性11.3%、女性11.2%)が多い。治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいかでは、「自宅」が54.6と最も多く、ついで「病院などの医療施設」が27.7%と、介護も、最期も「自宅」希望が多い。


▲カット写真は、「昇仙峡・影絵の森美術館」(山梨)で。記事と直接には関連ありません。

★理想の住まい? 半数以上が祖父母と近・同居
  全体では、祖父母と「近居を希望」が31.8%(同居 20.6%)、男性の祖父母と、「近居希望」が30.4%、同居希望22.0%、いっぽう女性は、「近居希望」が33.0%と、ほぼ同じだが、同居は19.4%と少ない。また「子どもが小学校に入学するまでの間、祖父母が育児や家事の手助けをすることが望ましい」と考えている高齢者は、全体で78.7%を数え、特に女性では80.2%と高い。 同じく、約9割の人が、子育てには「地域の支えが重要」と考えている(全体)。地域で子育てを支えるために重要なことは「声かけや登下校の見守りをするひとがいること」とした人が64.1%と最も多かった。
  60歳以上の高齢者に「現在の住宅の満足度」について聞くと、「満足」、又は「ある程度満足している人は総数で89.3%。持家では91.2%、賃貸住宅でも69.9と、ほとんど問題ないと答え、高齢者の生活環境のうちで、住居には不満が少ない。では、近所づきあいや、一人暮らしの実態はどうなのだろうか?

★近所づきあい・・・ひとり暮らしの男性が問題
  近所づきあいの程度は、全体では「親しくつきあっている」が約半数で、うち女性は60.9%だが、一人暮らしの男性には、「つきあいがほとんどない」人が17.4%。また、病気のとき、ひとりでできない日常生活の上で「頼れる人がいない」、一人暮らしの男性が20.0%にのぼる。
  一方、高齢者の会話の頻度(電話やメールを含む)は、全体では9割が毎日何らかの会話をしているが、一人暮らしでは、「2,3日に1回」以下の人も多く、男性の単身世帯では28.8%を占めている。孤立死とかんがえられるケースも多数発生している。誰にも看取られず息を引き取り、その後、相当期間、発見されずに「孤立死」(孤独死)とみられる事例が報道されている。

★ローソンが、介護コンビニ展開
  ローソンは介護の必要な高齢者を支援するコンビニ展開を首都圏を中心に始める。 ケアマネージャーが店に常駐し、無料でお年寄りの介護生活について相談にのるほか、デイサービスや老人ホームなど施設の紹介をする。店内にはサロンスペースを設け、簡単なストレッチや介護に関する講習会を開くことなども検討している。1号店は来年2月、埼玉県川口市に開き、大都市部を中心に3年で約30店を出す計画。(8/17 朝日デジタル)
こちらもご覧下さい

★認知症の患者を抱える家族のほっとライン
  認知症に関する知識や、介護の仕方などについて、気軽に相談にのってくれるフリーダイヤルがあるのをご存知?全国に支部をもつ公益社団法人「家族の会」の組織で、介護のグチや悩みを聞いてくれる。土・日・祝日をのぞく毎日、午前10:00〜午後3:00まで。全国どこからでも無料 0120−294−456(携帯、PHSの場合は075−811−8418(通話料有料)

☆認知症の人と家族の会ホームページはこちら

★無縁化に「さまよう墓」、不法投棄の「墓の墓」も
  真夏の怪談ばなしではない。怖いより、侘しいはなし。墓の後継ぎがいないために無縁墓となり、撤去された墓石は、人里離れた山中に墓石の山となって不法投棄されるという。多くは産廃業者が扱うが、墓石だけに「祟りがこわい」と、粉砕などはしない。こうした無縁墓が全国にどれほどあるのか統計はないが、「お寺さん、仏様を大事にしないと、バチがあたりますよ」。それを信じる人もすくなくなった?



▲カット写真は、「昇仙峡・影絵の森美術館」(山梨)で。記事と直接には関連ありません。

★「PPK」という死因は、ない?
  「長患いをせずに苦しまず逝きたい」は、誰しもの願望。実際はどうか?高齢者の死因となった疾病で最も多いのは「悪性新生物(がん)」で、人口10万人当たり958.4。次いで「心疾患」の584.3、「肺炎」の391.1の順。この3つの疾病で、高齢者の死因の半分を占めている。
  残念ながらピンピンコロリンは、わずかなケースで高い理想の?順位だ。

★社会参加に約6割、今後参加したいも約7割
  60歳以上の高齢者の61%は、何らかのグループ活動に参加しており、10年前と比べて2割近く増加した。参加した人々は、その効用を「新しい友人を得た」(48.8%)、次いで「生活に充実感ができた」(46%)、「健康や体力に自信がついた」(44.4%)をあげ、今後参加したい団体には、「趣味のサークル・団体」(31.5%)が最も多く、次いで「健康・スポーツのサークル・団体」(29.7%)。なお、いま実際に参加している団体では「町内会・自治会(26.7%)で、4人に1人が参加しているのは、意外と多くかんじませんか?

★要介護者数が増え、特に75歳以上の割合が高い
  65歳以上の要介護者数は平成24(2012)年度末で545.7万人であり、13(2001)年度から258万人増加している。特に75歳以上の被保険者が23%を占めている。
  では、介護が必要になった場合の費用負担はどのような意識なのだろうか?内閣府の調査で、60歳以上の人に聞いたところ、「特に用意しなくても、年金等の収入でまかなう」が42.3%で一番多かったが、「自宅や資産の売却でまかなう」7.7%、「子供から経済的な援助」9.9%、などさまざま。しかし、「必要なだけの貯蓄は用意している」が20.3%と高く、もし介護になった場合でも堅実な対応を考えている姿が浮かびあがった。とつぜんの病気に、高額な医療の個人負担などのケースを聞くなか、意識調査のうえでは、不安を持つ層が少ない。

★空き家820万戸、一人暮らし(高齢)552万世帯
  総戸数に占める空き家の割合も13.5%で過去最高となった(総務省の住宅・土地統計=1948年以来5年ごとに実施)。人口減少や高齢者の施設への入所や住み替えなどが、大都市圏でも空き家家率を押し上げている(7/30朝日)。
   この傾向は人口減少、高齢化が進む地域にかぎらず大都市圏でも見られる。売るに売れない、解体し更地にすると、固定資産税が6倍に増えるなど、昔の住宅取得優遇策が残っているためという。持ち家率が8割を超える団塊世代の多くが65歳以上を超え、空き家予備軍は拡大している。核家族がすすんで、この傾向はさらに進む?

★65歳以上の15%、認知症460万人
  厚労省研究班の推計によると、65歳以上の15%にあたる462万人(2012年時点)が認知症であることがわかった。介護保険利用者を対象にした厚労省の調査では305万人と見込まれていた。さらに今回の調査では軽度認知症(MCI)とよばれる、いわゆる予備軍が、400万人いることが新たに判明した。この層は、病院などで適切なケアをうけなければ、5年後には半数が認知症に進むという報告がある。
  いま、介護にたずさわる職員(いわゆる介護職員)は、約150万人といわれている。それが2025年には、250万人が必要となる推計がある。なんと100万人の不足!認知症=介護ではないが、マイクロRNAとかいう早期発見検査手法が間に合ったとしても、ほぼまちがいなくこの数字がやってくる。

★男性の介護の落とし穴、それはプライド?
  高齢化が進む中、家庭で65歳以上の高齢者が主に介護を担う、いっわゆる「老老介護」の割合は、全体の半数という。なかでも、男性の介護には「没頭するあまり周囲から孤立してしまう傾向がある」という。男性はプライドがあって、人の世話をならず自分の手でやりたいと思う。「そのうち、介護の限界が見え自分では収拾がつかなくなってくる」(NHKテレビから)。男性の介護を支援する会の山内輝昭さん(69)は、行き詰ったとき、周囲に助けをもとめる必要性を指摘している。

☆特記のない数字は、朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞を参考にしました。

「ストップ・ザ・振り込め詐欺」。NHKや警察が盛んにさまざまな手口?を紹介しているけど、「あれを理解できるひとは、だまされないひとよ」。あんなのムダ、ムダ。それより、一緒に住めとはいわないが、「息子の月1回・電話訪問キャンペーン」でもやった方が効果的と思わない?電話でいいからサ(いいかも)

「結局、寂しいからなのよネ。息子とも、孫とも日常会話がない。風邪ひかなくても、その声すらわからなくなっている。しばらくぶりに掛かってきた息子(孫)からの電話だ、切りたくない!そのうち、「早く、なんとかしてあげなければ・・・」(そうかも)

小笠原諸島の「西表島」。噴火で40倍、東京ドーム18個の体積に膨れあがったと。「もっともっと大きくなれ! 尖閣諸島など小さい、小さい!」。伊豆大島とつながるまで大きくなーれ!(国引き)
毎日、仏壇に向かってお経をあげる祖母に、孫のカヨちゃん。「おばあちゃん、毎日同じお歌だと、おじいちゃんタイクツしちゃうんじゃない?」、「そうだねえ」とおばあちゃん、鐘を打つ(解決)

熱中症患者がふえている。「エアコンも使って涼しく過ごせ」と気象庁。原発事故のあと「計画停電」があった3年半前。一体あのさわぎは何だったのかしら?原子力発電がないとこうなるよとの・・・(脅し)

靖国神社は今はやりの「合祀」なのよね。多くの軍人、戦犯も祀られている。反対は「東京裁判」も否定しているんだゾ。わかるか?みんな?(わかんない)

靖国神社参拝。保守系の議員さんがゾロゾロ。目的はひとつ。「どうか、次の選挙でも尊き清き1票をください」と頼んでいるんだ。(1票どころか組織票)

筋トレの先生いわく「筋力が1kg減ると医療費が男性で20数万円、女性で30数万円掛かるという計算が成りたつ」んだって。神戸牛だって1kg3000円なのにねえ?つまり「医者にかかるより肉を食った方が良いといこと?」(肉食べよ)
3人の老婆。互いにうなずきあいながら話が途切れることがない。しかし話の内容はまったく別もので進行している。これを「軸がしっかりしている」と評論家先生は意言った。「何人もの話、聞きながら話すワザ」(スーパー・聖徳太子おばさん)
「この夏、ついに夫婦別室を決めました!」「彼は寒がり、彼女は暑がり。エアコン調節の体感温度差が理由とか。お互いに快適なのと、暖房期も寒がりと暑がりなので、多分このままだろう。(快適継続)

▲カット写真は、「昇仙峡・影絵の森美術館」(山梨)で。記事と直接には関連ありません。

★全国一斉 特設電話相談室 シニアの悩み110番
今回で37回(春秋、年2回)を迎える、特設電話相談「シニアの悩み110番」は、来る9月27日(土)、28日(日)の両日、全国一斉に実施される。参加するSLA協会は北海道・関東・中部・関西・中国・東中国・九州の7地区のシニアライフアドバイザー協会。

★映画とシンポジウム「最高の人生の見つけ方」・・・
◆特別講演:「人生の最期を穏やかに過ごすには」小澤竹俊(めぐみ在宅クリニック院長) 
◆日時:平成26年9月14日(日) 10:00〜17:10
◆会場:板橋区立文化会館
・東武東上線「大山駅」、都営三田線「板橋区役所前」
◆参加費:無料
◆お問い合せ:03-3962-1301(板橋区医師会医学会事務局)

★第22回「かたろう会」SLA神奈川
◆日時:平成26年10月22日(水) 12:00〜16:00
◆会場:横浜市西区社脇「フクシア」3階・多目的研修室
◆参加費:300円
◆パネルディスカッション
◎パネラー:小池陽子氏(SLA神奈川南横浜グループ、介護調査委員)、鈴木ヨシモト直美氏(訪問介護ステーション芍薬青葉代表)他。
◆テーマ:介護問題を考える

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《SLA東京の行事カレンダー》

■シニア住宅見学会
病院がつくった老人ホーム・再春館製薬系の介護付き老人ホーム「ホスピテルメント武蔵野」。

◆日時:平成26年10月5日(日)
◆行き先:「ホスピテルメント武蔵野」
◆参加費:300円(昼食試食予定)
◆集合:午前10:45(注意!) JR三鷹駅北口

■第4回テーブルとーくサロン
◆日時:平成26年10月25日(土)14:00〜16:00
◆テーマ:「シニアにもっと笑いを」〈笑いの健康学〉
・話題提供者=ユーモア共和国大統領・藤井敬三 氏)
◆会場:ルノアール銀座・昭和通り店(予定)
◆参加費:300円(要予約)
◆座長:荒木正人SLA
★要予約

■シニアウオッチング&SLA東京総会
落葉を踏んで、錦秋の新宿御苑を歩く。この店のこのメニュー、食事処にもご期待ください。
◆日時:平成26年11月16日(日)


◆季語「芋の秋」。お月見のお供え芋や団子を、子どもたちがこっそり盗ろうとする。盗られた家は縁起がいいのだそうで、それを見つけた親たちは、「さあどうぞ」と、どっさり振る舞う。そんな民俗行事が各地にあった。地域の子ども社会と大人社会の、ほのぼのとした絆が伝わる◆イモやカボチャが主食代わりの時代があった。70年前の実話。どうすれば、いまの子どもたちに、うまく伝えられるだろうか(岡)

SLAの情報交差点
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