この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。

No.57/2012.4.16(月)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出の ちから」

「米穀通帳」が身分証だった頃 <昭和16年〜戦後>

●NHK朝のテレビドラマ「梅ちゃん先生」は、焼け野原の戦後の復興シーンからはじまった。「米穀通帳」が登場。「お米が無かった時代を忘れかけていた」などと視聴者の声が聞かれた。
●「米穀通帳」は、太平洋戦争が始まった1941年(昭和16年)から、戦後の食糧難時代の象徴として自主流通米制度で、なし崩しになるまで戦中、戦後を通じ10数年にわたり在った制度。
●当時は、家族の数ごとに配給米の量が決まり、かつ登録店でしか買えなかった。婚姻や転居には届けが義務づけられ、学生の下宿でも要した。現代の「年金手帳」、「運転免許証」のような身分証でもあった。
●60年代になって配給制こそ廃止されたが、米穀商からしか買えなかったため、「ヤミ米」、「食管法違反」、「カラス部隊」(ヤミ米運搬人)、「買い出し」などの世相や流行語を生んだ。

*知っている人も多いが、忘れかけている人も多い。「食べるものが無かった時代」は死語?

<小さな特集> 「高齢弱者」
「家族」のチカラ


※水彩画は:新宿の「梯子坂」。 藤木亘「小さな画室」より。
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/ 

東京都の1世帯の人員が2人を割ったという。平均1.99人。それだけ独居世帯が増えたという数字でもある。高齢者の一人暮らしと若者の単身世帯がふえた結果だと都では分析している。もともと、東京都には、そうした特異な傾向があったとしても1.99人では、「家族」という概念は形成できない。「家庭」も同じことがいえよう。 70年代のはじめ頃から始まった核家族化傾向の先に、こうした少数世帯が生まれるのは想定できないことではなかった。71年版「厚生白書」の総論序章に、はじめて世帯規模の縮小について「核家族化」の指摘が見える。けれども、これ程までに孤独死や、「孤族」といったさびしい世の中になることを多くの人びとが想定していなかった。「血縁の時代は終わった」。気の合った人たちとの「墓友」・・・単身社会の新しい繋がり?と先頃のNHK特報首都圏が伝える。
すでに「家族」や「血縁」という概念そのものが世代間によって通じなくなっている。「死語になっていると言っては、やや大げさだが、現実の問題としてそう思わざるをえない暗いニュースがつづいている。元来つよい絆で結ばれているはずの家族。
「家族のチカラ」がタイトルになること自体が、本当はおかしと思いつつタイトルとした。
遺品整理の先駆け「キーパーズ」の吉田太社長(47)は、年間1500件ほどの依頼のうち、長期間発見されずに、いわゆる“孤独死”の現場は約250件。そのうちの80%は男性。「遺品と向き合うと、核家族化が進行する現代の生活スタイルの問題が見えてくる」という。

1世帯に1.99人では、家族といえない!?
一世帯の人員2人割れ!独居世帯の比率、調査以来の低さ・・・というショッキングな数字を見た。東京都が平成24年1月現在でまとめた世帯と人口によると、1世帯当たりの平均人員が1.99人と、1957年(昭和32年)の調査開始以来、はじめて2人を下回った。
東京都は、もともと単身若者が多い特徴はあったが、独居高齢者が増加している。孤立死・孤独死などが問題化しているほか、首都直下型地震の備えも心配されていることから、都は住民や企業などによる防災隣組の構築など独居高齢者を見守る仕組みづくりを強化していく考えという。隣組もそう易しいことではない。
★住民基本台帳による東京都の世帯総数は6,386,067世帯。
★総人口に占める65歳以上の人口割合は20.76%、調査開始以来過去最高!

戒名「必要ない」が5割超、葬儀は家族中心へ回帰
「血縁の時代は終わった・・・単身社会がすすむ」といったコメントがつづく。「通夜や告別式をおこなわず、火葬だけする“直葬”を、「とくに問題はない」と答えた人は7割以上。遺骨を灰としてまくなど、埋葬についても、「とくに問題はない」と答えた人が8割を超えたという。読売新聞が最近おこなった「冠婚葬祭に関する世論調査」の結果だ。3/28読売
家族に関する考え方の変化は、冠婚葬祭に関してもっとも顕著だ。9割の回答者が、葬式や法要は簡素に、家族を中心に近親者やごく親しいひとだけの「家族葬」を望み、戒名は半分以上のひとが「必要ない」と答えている。
一方で、「震災を契機に、亡くなった人との関係を見つめ直す時間として葬儀を大切にしようという傾向が見える」(碑文谷創・葬送ジャーナリスト)という。家族や親子、近隣との繋がりとは?大震災を契機に、いま一度、世代間で考えるときがきているのは確か。

▲土管のある遊び場。NHKテレビ「梅ちゃん先生」画面より。

5年で20万戸、首都圏で空家が増える
空き家問題は、過疎化がすすむ地方だけではない。核家族化が進む首都圏でも大きな問題になっている。親が死んだ後もそのまま放置された空き家は、1都3県で185万戸にのぼり、5年間で20万戸(12%)増えている(総務省)という。
子育て世代はマンションを好み、親との同居は好まない傾向がいまもつづいている。親もまた同居を好まない。人口の割に世帯数が多いのもそのせいだ。世田谷区の場合、「空き家・空き部屋」は約3万5千戸。このうち約6200戸は一戸建て。崩壊の危険や草木が生い茂るなど「迷惑空き家」も悩みのタネという。自治体によっては寄付申し出のあったものを公園や、グループリビング、民間のディサービス施設にといった試みも現れているが、放置空き家をどうするかより、独居高齢者をなくすための総合的な対策が必要だ。
春の全国一斉電話相談「シニアの悩み110番」
全国シニアライフアドバイザー協会主催の第32回・全国一斉特設電話相談「シニアの悩み110番」(財・シニアルネサンス財団後援)が3月24日(土)・25日(日)の両日に実施された。
相談件数は311件と前回の481人を下回ったが、より深い相談ができた(石寺弘子・同協会会長談)。相談内容では、「無縁・孤族な単身社会」といわれる世相を反映して、「相続・遺言」、「家族・夫婦」などの悩みが目立った。今回も、北海道(札幌)、関東(東京)、中部(名古屋)、関西(大阪)、東中国(福山)、中国(広島)、九州(福岡)の7協会が参加して行われ、協働による集計結果は、近くマスコミ等を通じ社会提言する予定。
血流改善に“貧乏ゆすり”の効用
会議や電車のなかなどで見かける「貧乏ゆすり」は、実はふくらはぎの血流を改善し、とくに女性に多い手足の冷えやむくみに、また中高年に多い変性股関節症の治療にも効果があるらしい。「くわしいメカニズムはわかっていないが、効果はたしか。これからは“健康ゆすり”と呼んで普及させたい」と国立長寿センターの中村昭雄教授。貧乏ゆすり派に福音。
救急車を呼ぶ前に「救急受信ガイド」
東京消防庁は病気やケガの緊急度を電話やパソコン等で確認できる「緊急受信ガイド」を今春から開始した。これまで緊急度の状状況を判断する同庁の電話相談窓口の「救急相談センター」(電・井 7119)で行ってきたが、新たにPCや携帯で幾つかの症状をチェックし、救急車を呼ぶかどうかの緊急度をアドバイスするもの。緊急でないと判断できたら自分で病院へ。タクシー替わりや酔っ払いは断っていいが、救急患者の不安は残る。
笑顔が苦手? 微笑み後進国のニッポン
「笑顔が得意ですか?自分の笑顔に自信ありますか?」と聞かれて「はい、得意です」と自信を持って言える人は少ないという。「笑顔が得意かどうか」の調査によると、91%の人が「はい!得意です」と答えた国はタイ。さすが「微笑みの国」で堂々の1位。次いでフランスが86%、ロシアが84%、アメリカが78%。日本はなんと26%で最下位とさびしい結果(笑顔セミナー・諏訪ゆう子代表)。「笑い」の効用が叫ばれている割には、「微笑み後進国」のニッポン。「お笑いタレント」の多いのは、裏を返せば、そんな国民性からか? それにしても、最近のお笑い番組に笑えないのは歳のせいだけだろうか?

※絵手紙のチカラ:竹下勲二郎氏は中高年の
「元気が出るページ」紙上で被災地へ
応援メッセージを送っている
http://genkigaderu.net/

 

不安がいっぱい 安心をください!

「社会保障に不安」が83%、年金の充実望む声・・・現在の社会保障制度について、「安心できない」39%、「あまり安心できない」の44%と不安視している人を合わせると83%を占めた(日本世論調査会の調査)。調査は消費税の値上げや一体改革について聞いたもので、社会保障の中で、こんご充実してほしい分野は、年金69%、公的医療保険33%、介護保険と少子化対策30%の順だった。
危うい公的年金、資金が4年連続で減小・・・団塊世代への年金給付増によって12年度は8兆8千億円分の国債などを取り崩すことに。4年連続の取り崩し。団塊世代が年金を受給する年代にさしかかるため、この傾向はしばらくつづく。公的年金は積立保険金と資産運用益で積立金が増える構造だったが、長寿化や団塊世代の大量退職で、現役世代からの積立収入だけでは賄えなくなっている。かのJ投資顧問会社などは論外だが、どこの企業年金基金も同様の悩みを持っている。OBの年金減額の動きも出ている。

街頭テレビのある風景。
NHKテレビ「梅ちゃん先生」の画面より▲

生活保護受給者209万人、過去最多更新がつづく・・・12年の1月時点で209万1902人と、過去最多の更新がつづいている。前年比では4810人の増加。うち、東日本大震災や東電原発事故を理由に生活保護を受け始めたケースは2月の55世帯に過ぎない。 
依然難関!外国人の介護福祉士の国家試験・・・先の看護師試験につづいて初の介護福祉士候補の試験があり、合格者は36人(3.79%)と、看護師試験のときの11.3%より合格率が高まった。外国人(EPA経済連携協定のインドネシア、フィリッピン)の合格者数は全体(8万8190人)のうちわずかに0.4%にすぎない。母国では看護師経験者などが多く、介護の基礎はできているのに「日本語」がカベという。
人材不足なのに、なぜか腰の重い厚労省・・・政府の試算では、2025年までに介護サービス利用者は11年度の427万から640万人と約5割も増える。必要な介護職員も140万人から100万人増の240万人が必要とされ人材不足は深刻だ。それなのに、厚生省の腰は重い。試験を英語でやったらどうか?などの案もあるが、EPAは、「人材不足への対応ではない」のが表むきの見解。在宅医療・介護のキ―は連携なのに、どこかかみ合っていない。
在宅医療の重視、実態は未だし・・・在宅医療のなかで中心になる地域の診療所の筈が、支援診療所としての登録に弾みがついていない。届出は全診療所のわずか12.5%に過ぎず、このうち1人診療所で担当医師は1人の体制で緊急時にも対応しているのが現状(厚労省しらべ)。地域での情報共有や連携がカギといわれているなかで在宅支援カンファレンスにも参加できない医師が40%と、連携のむずかしさも指摘されている。在宅医療重視の方向だけは確認されたが、地域包括ケアの体制が整っていない。

☆特記のない数字は、朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞を参考にしました。

■第24回 文学歴史散歩 〜日光街道の宿場町と刑場跡〜
小塚原・千住宿」コース 
芭蕉の「奥の細道」の矢立ての場として知られているこの地は、将軍の日光参りが恒例化すると、一般市民の間にも日光参りが流行し、交通量の多い重要街道となった。当時の千住界隈は農耕地で、葱の産地として有名であったが、日光街道の最初の宿場町として栄えた。
南千住界隈は、小塚原と呼ばれる一面草原で、利用価値もないことから、幕府は「小塚原」処刑場を設け、東海道の「鈴が森」と同様に犯罪の防止に役立っている。今回は、「品川宿」、「内藤新宿」に続き、宿場町を探訪したいと思います。
◆実施日:平成24年 5月20日(日) (小雨決行)
◆集合:JR線「南千住」駅 1階東出口 午前10時*「南千住」駅ホームは高架です。1Fの東出口は20m位離れた、メトロ日比谷線の北口との連絡路になっています。
◆コース:(約3km、3時間コース):@回向院、A道明寺(首切り地蔵)、B西光寺(焼場跡)、C芭蕉「奥の細道」の矢立ての場、Dやっちゃ場跡、E高札・一里塚跡、F不動院(遊女の墓)、G鷹野鳥見屋敷跡、H金蔵寺(投げ込み寺)、I森鴎外旧居跡、J勝専寺(別名赤門寺)、K本陣跡と見番跡。解散:「北千住」駅。◆案内人:酒井文夫SLA◆参加費:300円 
◆参加申込み:シニア住宅見学会、文学歴史散歩とも「SLA東京」事務局へ

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*第20回 「シニア住宅見学会」
「らいふアシスト馬車道」を見学
4月15日(日)の午後、横浜市中区の「らいふアシスト馬車道」(日立グループの介護付き有料老人ホーム)を視察見学しました(SLA東京主催・沢木清美SLA案内人)。約2時間、熱心に見学のあとは、ヨコハマの潮風を吸いこみながらの散策を楽しみました。

     写真は施設スタッフからお話を聞く参加者(左)、当日はアニマルセラピーの日とか。かわいいワンちゃん達に出会った(右)

*在宅医療・介護と地域連携を考える市民講座  
在宅医療、看護、心のケアに至る、家族や患者(本人)の準備はどのようにしたらよいか。また在宅介護のカギとなる地域連携の在り方をさぐる・・・をテーマとした講座。
◆日時:6月9日(土)、6月23日(土)
◆会場:明治薬科大学彫堂会館(地下鉄、有楽町線・半蔵門線「永田町駅」)
◆参加費無料◆定員50名。
◆問合わせ・参加申込み:主催のNPOさいたまシニアライフアドバイザーの会。
メール、電話・FAXで。sla-npo@memoad.jp 048-831-8619 (近藤)

 
★スカイツリー ★朝ドラ  ★地震・津波  ★葬式

スカイツリー狂騒曲・・・ワシは抽選に当たっても行かないよ。下を見たら目が回る!おしっこ漏らすだろう。所詮、ジェットコースターと高いところは年寄り向きではない!(行くな)

隅田川の船や、観光バスで下から見上げるコースも人気とか。見上げても・・・(目が回る)
戦後の復興から立ちあがる朝のドラマ、「カーネーション」につづいて「梅ちゃん先生」も視聴率が高いね。「頑張ったあの頃を思うと、いまの節電なんか平気よ!平気!」(その元気!)
「停電」?昔のように夜なべ仕事をするじゃなし。空の星が良く見えていいわ(ホタルも)
朝ドラの視聴率が高いのは、女性が主役だからヨ。世の中、いつの世も主役は女性よ!(かも知れない)
朝ドラを観ていたら「米穀通帳」が出てきた。知ってはいたが、忘れかけていたなあ(誰しも)
絶対忘れないわよ。私なんか、お米の配給のために入籍したようなものなんだから・・・本当よ(敬礼!)
「食べたくても、食べられなかった時代を思い起こそう」と言ったら、私、今その真っ最中なのと言う。食べたくても・・・体重が気になって」(食べろ)
「現物支給」の時代もあったなあ。石鹸ばかり溜まった。勤め先が石鹸の会社だったのでね(ミツワ?)
「出かけたいけど地震が怖い!地下鉄の中で死にたくないのヨ、私・・・」。「地下に埋まるんだから土葬だね」。「それより、地下は水が入ってくるから怖いワ」(水葬)
◎  主人の墓に入るのは気が進まないわ。お姑さんと一緒だと窮屈。それにお墓小さいのよ(立派な理由)
風船で骨を飛ばす散骨を「天葬」というらしい。名前はかっこいいけれど・・・(軽すぎ)
風でミシッといっても「地震!」と思っちゃうのよね。私って何にでも敏感な方だから・・・(かも知れない)
原発地に21メートルの防波堤の義務。海岸のない海。日の出は梯子でもかけて見るの?(マンガ)
「南海トラフ? たかが溝でしょ、鉄筋コンクリートで固めてしまえばいいのサ。あと50年もすれば、そういう技術ができるかもよ」(もっと急げ)
老人ホームの場所を聞いたら、「えーと」と言ったきり、携帯をのぞきこんでいる。「無愛想な女性め!」と思っていたら、「ここですね」。アイフォンで調べてくれていたのだった(優しい美人)

◆桜前線が北へ。三春の滝桜の下では、語りと朗読の会も開かれるという。サクラを見上げるだけでなく、共に語ろうという趣旨と聞く◆被災した桜の孫苗(ひこばえ)を大事に育てながら「いつか咲く・・・」と待つ集落もある◆なんと言ってもサクラは新入学や新しい門出を祝うにふさわしい。被災地出身のタレントがつぎつぎと登場する“復興ソング”。その題も「花は咲く」だ。花のチカラを信じたい(岡)

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