この通信は、「シニアが気になる…」をキーワードに、数字やニュース・スポットで世の中の動きや傾向をお伝えしています。
No.40/2008.12.29(月)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出のちから」

今年の後半になってから、「突然にやってきた」世界金融危機。その底の深さは100年に一度とも。わたくしたちは、これまでいくつかの不況を乗り越えてきました。シリーズ「その年のできごとロジー」、今号は戦後初の不況の年<昭和24年・1949年>をふりかえってみました。

1949年(昭和24年)・・・「大学は出たけれど」「ニコヨン」などの言葉が流行った年。
【できごと・話題】 下山事件・三鷹事件・松川事件・キティ台風・湯川博士がノーベル賞
【流行語】 アジャパー・駅弁大学・ワンマン内閣・説教強盗
【番組・流行歌♪】 うたのおばさん・3つの鐘・トンコ節
【話題の本】 蟹工船・きけわだつみのこえ。

    ニコヨン
    職業安定所が支払う「日雇い労働者」への日給は240円。百円2枚と10円4枚だったことから生まれた。当時、町で繁盛したのはヤミ屋とかつぎ屋だけといわれ、復員や大陸からの引き揚げ者ら職に就けない人びとがあふれ「浮浪者」と呼ばれた。「ニコヨン殺すにゃ刃物は要らぬ。雨の5日も降ればよい、ヨイ!」(デカンショ節の替え歌で)流行、自転車操業(中小企業の赤字覚悟の経営。停止すれば倒れるたとえ)といった産業、雇用不安の年でした。

★出典=ザ・20世紀より

思い出は、ちから。<総括編> 

@<思い出は、ちから>の今年を振り返る
およそ1年半にわたって、「SLAとうきょう」が特集してきた「思い出は、ちから」が、年末になってマスコミでも、この動きを追う企画が目立ちました。
・・・・たのしかった思い出も、忘れてしまいたい過去も、懐かしむことから一歩すすめ、追憶で元気をたぐり寄せる回想法プログラム。見たり、聞いたり、書いたり、話したり・・・過去の記録と記憶とをつなぎ合わせてつくる人それぞれの物語。とりわけ高齢世代では、同時代に生きてきた人や、風景や、モノを共有できる喜びが大きいといわれます。希薄になったといわれる世代間のきずなにも・・・。いま、多様な分野で「思い出のちから」を役立てる試みが始まっています。

★朝日新聞の記事、「思い出はちから」……「思い出語り生き生き」という題で、各地の“思い出が持つ、力”の活用事例を紹介している。
昔の生活道具などを前に、お年寄りが思い出や経験を語り合う。施設などのお年寄りは、インタビ
ューに答えて、「話すのはおもしろい。昔の話をすると頭が起きる」と感想をもらす。
この取り組みに先進的な北名古屋市では、年4回、指導者を養成するスクールを開いて市民を育成し、これまでに約220人が修了している。活動はこのスクールの“卒業”生グループだ。
全国の博物館などでも試みが広まっている。熊本市の熊本博物館では、市民ボランテイアとの協働で、「昭和の思い出、思い出のチカラ展覧会」などを開いている。水戸市や横浜などでも始まった。昭和日常博物館」に力を入れる、北名古屋市は「認知症予防から、生甲斐づくりをめざす」という。(朝日新聞の11月28日夕刊より抜粋)
★東京タワー50周年の輝き……いつもより100基多い照明で着飾った。12月23日の50歳の誕生日には、さまざまなイベントがあってマスコミにも祝福された。集団就職の子をなぐさめ、病室の窓から元気をもらった人びとなどが大ぜい登場し思い出メッセージをおくった。天皇誕生日でもあったのもご縁? “東京タワーは永遠”。
★新宿歌舞伎町のシンボル「新宿コマ劇場」……こちらは大晦日に「さよなら公演」、52年の歴史を閉じる。“新宿に宝塚を”小林一三の夢は、波乱と華やかな歴史をきざみつつ演歌の殿堂に・・・。跡地約5400平方bは再開発されるが、計画は未定とか。新しい新宿、新しい歌舞伎町、新しいコマ劇場に期待したい!
★日の出町・・・の明るい話題が光った……75歳以上のお年寄りの医療費を無料にする!「お年寄りにやさしい福祉基本条例」を決めた。来年から窓口負担はゼロに、人間ドック受診料も全額助成! さすが“日の出る”町。あの町、この町の町長さんも、日の出町を見習え!

★不況・・・経済危機、医療危機、雇用危機……昭和25年以来の不景気とか。25年というとまだ戦後の後遺症を引きずって、産業界も低迷し、あちこちで赤旗や労働組合の結成、ストライキなどの風景があった。今回の不況では、「派遣労働者」が、あまりの突然の解雇で住むところさえ失い、路頭に迷うといった半年前には考えられない風景を暮れのテレビが伝えている。「ストライキ」、「春闘」などの死語がよみがえりそう。(あまり思い出したくない言葉)
★非正規社員8万5000人が職を失う……26日、厚生労働省は、10月から来春3月までに職を失うと発表した。わずか1ヵ月で2.8倍に増えた。来春就職予定の内定取り消しもつづき、若者の夢を砕いている。11月の失業率は3.9%に悪化するなど暮れにきて悪い数字が発表されている。(「非正規」という言葉も変)
★糖尿病患者が2210万人に増加……厚生労働省の発表によれば、糖尿病患者とその予備軍は推計2210万人で、5年前の1620万人から36%増えている。「運動不足や、食生活の乱れ」を要因としてあげている(07国民健康・栄養調査)。このうち「糖尿病が強く疑われる人」は推計で890万人だが、約4割が治療をほとんど受けていなかった。(若いひとのメタボも気になる)
★『主婦の友』の廃刊、出版不況……90年以上の歴史がある『主婦の友』、ノンフィクションに力点おいた『月刊現代』、映画誌『ロードショー』などがつぎつぎ廃刊に。ベストセラー、『声に出して読みたい本』の草思社、自費出版中堅の『新風舎』が倒産した。ベストセラーにも、世相がでた。世界中で数億部が読まれた人気シリーズ『ハリーポッターと死の秘宝』の185万部は想定内として、『夢をかなえるゾウ』(水野敬也)、『B型自分の説明書』(Jamais Jamais)は、自費出版ではじまった血液型シリーズ。各型あわせて500万部を売り年間ベストセラー3位にランクされた。(『蟹工船』も話題に)

<ことしの世相を表す こ・と・ば>
★新語・流行語大賞は、「アラフォー」と「グ〜!」……アラフォーが40代なら、こちら60代、70代は「アラセブン」、「アラシックス」でしょうか?(言わない)。「後期高齢者」や、福田前総理の「あなとは、違うんです。」も候補にあがった。
★「後期高齢者」……不評にあわてて「寿」といえ替えたが、これにもまた不評の上塗りになった。
★「もみじマーク」の義務化を撤回! 努力義務に(いったい何をどうしたいの?)
★「還付金」も、もめにもめている。(つまり高齢者のホントの気持ちがわかっていない。政権の道具につかわれるのだけはゴメンこうむりたい)。蛇足=天皇陛下もことし後期高齢者になられた。
★一字漢字で表せば、「変」……日本漢字能力検定協会が公募で選ぶ一字漢字は「変」。京都の清水寺で森清範貫主が揮毫した。全国から過去最多の11万1208通の応募があり、このうち「変」は、6031票(5.42%)の1位。「金」、「落」、「食」、「乱」などが続いたという。(当たっているような、違うような…。この不況、好況に変わってほしい!)
★「空気読め!それより部下の気持ち読め」……サラリーマン川柳(朝日生命)の入選作。
★「窮々病院」、「苦労長寿」……四字塾語(住友生命)の入選作は、「四凛駆動」(オリンピック男子短距離)、「好投夢繋」(オリンピック女子ソフト)だが、シニア向けなら前掲の2作品。

<セピア色の言葉> 来春から 新・連載
若いヘルパーさんと、入居のお年寄との間で会話がつづかない悩みがあるという。ハートはあっても言葉の世代間ギャップ。人それぞれ生きてきた時代の生活風習が練りこめられたセピア色の言葉を死語に追いやらず、みんなで拾い上げてみませんか。何か約にたつかも。(投稿歓迎)
千人針 慰問袋 女裕次郎 教練 勤労奉仕 憲兵 懸想 湖畔の宿 ゴム遊び 在郷軍人 進駐軍 洗濯板 乳兄弟 ちゃんちゃんこ 中折れ帽 南京 ニコヨン ぬか袋 ねんごろ 農林1号 乗り合い自動車 別嬪さん 裁縫 指貫 ぽん引き 豆炭 やしゃご 宿さがり (参考:『忘れな草紙』 万華鏡グループ)。みなさんは、いくつご存知?何を語りますか?



★第12回 文学歴史散歩“元祖七福神巡りと梅若塚を尋ねる”
「隅田川七福神」コース

江戸時代のヒット商品の一つは平賀源内の「土用の鰻」と太田蜀山人の「七福神巡り」。
今回巡る「隅田川七福神」は元祖「七福神巡り」コース。これに謡曲「隅田川」縁の「木母寺」と幸田露伴の住んだ「蝸牛庵」を尋ねる。言問団子と長命寺の桜餅茶屋にも立ち寄ります。江戸時代の人気外食のナンバーワンは天麩羅。昼食は黒天麩羅で人気のある「大国屋」(予定、1500円位〜)に案内します。

◆実施日:平成21年1月25日(日)(小雨決行)
◆集 合:東武線「鐘ケ淵」駅西口改札 10:00(厳守)
◆コース:(約5Km、3時間コース) @木母寺(謡曲・隅田川)、A白髭神社(寿老人)、B向島百花園(福禄寿)、C蝸牛庵跡(幸田露伴)、D茶店(言問団子、長命寺の桜餅)、E長命寺(弁財天)、F弘福寺(布袋)、G三囲神社(恵比寿、大黒) →解散:浅草寺。
*昼食希望者には黒天麩羅で人気の「大国屋」(約1500円)をご案内します。
*入場料:向島百花園=150円。
*参加費:300円  案内人:酒井文夫SLA  申込み:SLA東京へ

■シニア住宅見学会
SLA東京主催の第13回シニア住宅見学会は、2月22日(日)、グッドタイムリビング横浜都築」(オリックス・リビング経営)を昼食試食(870円)付きで見学予定です。集合時間・場所など詳細は後日お知らせいたします。案内人=沢木清美SLA。

<気になるイベント>  詳細は、主催者へお問い合わせください。

■いきいきセカンドライフ講演会〜団塊の世代の定年後の生き方を考える
〜「世界へ羽ばたけ、団塊世代!」……2月14日(日)13時〜16時
すみだ産業会館(8階サンライズホール)(錦糸町丸井8階)
2006年から連続4年、関東SLA協会が墨田区から企画・運営を受託している講演会。基調講演「エベレスト女性初登頂・田部井淳子」。対談「団塊世代で街づくり」をテーマに福留強氏・政所利子氏。地域の生き生きプラザ、てーねん・どすこい倶楽部の活動紹介ほか、柳家燐太郎の落語や交流会も。
参加費:無料(交流会は参加費500円)、定員:400名、申込み期限:1月30日(金)、主催:墨田区(高齢者福祉課)

■講話:介護予防と認知症予防の現状について〜 自分で選ぶ医療と介護の会(通称SSCC)月例会。
1月18日(日)午前10時〜12時
飯田橋セントラルプラザ18階国際ユースホステル会議室(JR「飯田橋駅」徒歩3分)
講師:介護予防リーダー・シニア研究員・芳賀孝(4期SLA)。
参加費:500円、申込先:久保欣一 電話/FAX:03-3603-5775、k5775@nifty.com

■新しい年をプラス思考で……月曜会、1月5日(月)18時30分〜21時
港区立芝公園福祉会館(芝公園)
講師:阿奈靖雄氏、参加費:500円
今後の予定は2月2日、3月2日、4月6日いずれも第1月曜日開催。月曜会幹事・藤井 keizo@jp.bigplanet.com

■刑事裁判の傍聴と裁判員制度の研修……2月2日(月)午後1時〜3時30分
東京地方裁判所(千代田区霞ヶ関)。@刑事裁判の傍聴 A裁判員制度の話(地裁職員)。
集合:午後1時(時間厳守)東京地方裁判所内1階ロビー。
◆主催:SLA東京。案内人:久保п彦AX 03-3603-5775 k5775@nifty.com 又はSLA東京事務局。


◆冬至から10日余り、日の出がすこーしだけ早くなりました。「冬至」は、太陽がこの日から力強くなるという意味もあるとか。陽が長くなるのはうれしい。「一陽来復」にも通ずる◆「かぼちゃ」のほか、この節たべる野菜は、だいこん、れんこん、きんかん、なんきん(南瓜)がよろしい。食べて温かく、「ん(運)」がつくから」だそうです◆事務所の近くの「波除神社」の師走祓い、左足から3度の“茅の輪くぐり”をしました。日本一の獅子頭と枝垂れ銀杏で有名な厄除・災難除の神社です。皆さんどうぞ健やかで良いお年をお迎えください。

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