私の住んでいる枚方市は京都と大阪のほぼ中央に位置し、平安時代には貴族の別荘地、遊猟地でした。現在、在原業平の有名なさくらの歌碑が別荘跡地に建っています。
ところで、皆さんは東海道五十七次説をご存知ですか。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」などで東海道五十三次が有名ですが、実は五十七次まであったのです。「大阪夏の陣」の後、幕府は東海道を大阪まで延長し、伏見、淀、枚方、守口の4宿を設けました。幕府の公文書にも「(東海道は)品川宿より守口宿まで」の記述があり、五十七次が本当だというのが、枚方市の主張です。全国的に有名な菊人形以外にも観光の目玉を作ろうと「56番目の宿場町枚方」として船宿を資料館に整備するなどの努力をしているのですが、残念ながら東海道五十七次説はほとんど知られておりません。
現在、枚方市は人口40万5千人、6つの大学を持つ学園都市に変貌しつつありますが、その一方で人口の高齢化は確実に進んでいます。
私はいま枚方市の健康リーダー(食生活改善推進員)をしていますが、この「健康リーダー」とは厚生省の婦人の健康づくり推進事業として始まり、「私たちの健康は私たちの手で」をモットーに、全国で約23万人が活動しています。地域のつながりが薄れていく中で、私たちは保健センターの「健康リーダーゼミナール」で、1年間の勉強の後、地域でグループを作り、公民館などを会場に保健センターと協力して、体操、ウォーキング、健康料理教室、医師の講演会などの自主活動をしています。


健康料理教室を開くときには、毎回テーマを絞って行います。「骨粗鬆症予防の為のカルシウムいっぱいの献立」「高脂血症予防の血液さらさら献立」などのレシピを作り、カロリー計算も行います。
低脂肪で低カロリー、そして栄養豊富な魚をレシピに入れようとすると、魚をおろすといった高度な技術(?)を使わず、出来上がりに生臭みが残らないということに気をつけなければなりません。調理実習のとき「こんなことは常識!」と思い説明を飛ばすと、例えば「いちょう切ってどうすればいいのですか?」といった質問が出るか、失敗するかのどちらかになります。包丁やまな板のない家庭も珍しくなくなりました。
生活習慣病予防の為のバランスの取れた食生活の献立の立て方として、肉ばかりに偏らず魚と肉は交互に使いましょう、と料理講習会ですすめても「魚は生臭いからさわるのもいや」という答えが返ってきたりします。
こんな調子では旬の魚も、調理法も分かりませんし、団地やマンションなどでは臭いや煙が近所迷惑になるからと魚を焼くことさえ難しくなり、ますます食卓から遠のいてしまいます。
魚には血栓を防ぎ、血液をさらさらにするEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれ、循環器系疾患予防に効果的だといわれていますし、最近では脳の働きを良くし、老人性痴呆を予防する物質としても注目されています。
飽食の時代といわれていますが、実際は食事の偏りから栄養素が欠乏したし、偏食やダイエットをきっかけに味覚障害が起きたりしています。1日30品目を目標に多様な食品をとることを心がけましょう。


日本人は世界で最も長生きになり、現在も平均寿命を更新中です。しかしその反面、糖尿病が増加し、大腸ガンが増えています。これは食生活の変化の結果だといわれ、動物性脂肪の摂り過ぎと、食物繊維の不足が問題になっています。
外食は塩分、脂肪分が高く、ビタミン、ミネラル、食物繊維は不足しがちになります。これほど外食・中食(持ち帰り弁当や惣菜)が増えた便利な時代にすべてを手作りでというのは無理ですし、必要もないと思います。しかし、外食する時に単品より定食を心がけることや買ってきたお惣菜に何を足せば良いか、といった食べ方の知識が必要とされています。
何をどれだけ食べるかも大事なことですが、もっと大切なことは、どのように食べるかということです。厚生省(現 厚生労働省)がまとめた21世紀の健康づくりの指針となる「健康日本21」でも1日最低1食は、家族や友人などと二人以上で楽しく、30分以上かけてとるようにすすめています。
食事で身体に栄養を与えるのと同時に、食卓を囲む者同士の楽しい会話や交流でお互いのコミュニケーションをはかり、ストレスを解消し、健康寿命を延ばしましょう。