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2023.03.26 更新

後見人になると、家庭裁判所に、業務レポートを提出しなければなりません。


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資料38は、その「後見等事務報告書」の見本です。

まず、ケースごとに振り当てられている番号(事件番号)を書きます。そして、主役である本人(被後見人等)の氏名を書き、本人の誕生日月=報告月を記載します。

本人の生活状況として、本人の居場所と、本人の健康状態や生活状況について記載します。居場所は、自宅から施設へ変わったり、施設から病院へ変わったり、病院から自宅へ戻ってきたりと変わることがあるでしょう。

健康状態や生活状況は人それぞれです。病気があれば手術をする人もいます。要介護度が上がったり下がったり、すなわち、必要とされる介護サービスの量が増えたり減ったりもします。また、リハビリの内容が変わったり、薬が変わったりと、その内容は千差万別です。
生活状況も同様で、買い物ができなくなる、色々なことに対する興味が減ってきたなど、加齢とともに徐々にできることが減ったり、行動範囲が狭くなるかもしれません。

本人の財産状況については4項目あります。

一つ目は、月々の定期的な収入と定期的な支出についてです。当初の予定や前年度に比べて特に変わらなければ、「特に変わらない」にチェックし、変化があれば、その内容や時期や金額を書くことになっています。

見本では、要介護度が重くなったので施設利用料が13万5千円から14万7千円に上がったとあります。厳密に言えば、要介護度の変化は、資料上部の健康状態のところに「要介護度が上がり、サービス内容がこのように変わったので金額が増えた」と記載するのですが、その辺りを家庭裁判所は気にせず、結局いくら?ということが重要であると感じます。

二つ目は臨時収入です。1回につき10万円以上の臨時収入があった場合記載します。10万円を超える臨時収入があれば、時期、内容、金額、振り込まれた口座およびその事実を示す資料を添付します。

なぜ10万円以上なのかについての法的根拠はありません。見本では、「傷害保険金として30万円が入金された」とあります。裁判所ごとに様式が異なるので、自分のケースの管轄の様式に沿って記載すれば結構です。

三つめは臨時支出についてです。1回につき10万円以上の臨時支出があれば、その内容を資料とともに記載します。見本では、「車いす購入。本人の歩行が困難となったため。12万9千円」とあります。他には、旅行へ行く、自宅の庭をきれいにする、お墓を直す、等が考えられます。

四つめは入金記録についてです。「本人が得た金銭(定期収入,臨時収入の全てを含む。)は,全額,今回コピーを提出した通帳に入金されていますか」と聞かれています。多くの方は、「はい」を選ぶと思いますが、「いいえ」を選んだ場合、「入金されていないお金はいくらで、現在どのように管理しているか。また、入金されていないのはなぜか」を書くことになっています。つまり、収入はすべて預貯金口座に入れなさいということなのでしょう。