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2022.02.22 更新

任意後見契約当日の実務をお伝えします。

公証役場へ行くと受付があります。「○○と申します」「任意後見契約をしに来ました」などといえば、事務の方が快く迎えてくれるでしょう。余談ながら、地方の小さな公証役場だと、事務の方が公証人のご家族であることも少なくありません。

着席して待っていると、公証人が、任意後見契約公正証書を3部持参し着席します。1部は、正本として公証人が保管するもので、残りの2部は、頼んだ人用と頼まれた人用です。

所要時間は30分程度です。短ければ15分、長ければ45分くらいでしょう。

登場人物は、頼む人(Aさん:任後見契約の本人)、頼まれる人(Bさん:任意後見契約の受任者)、公証する人(公証人)の3名です。付き添いの人も1〜2名なら同席できるでしょう。

公証人から「今日は、AさんとBさんの間で、任意後見契約を結ぶということでよろしいですね」というようなことを聞かれると思うので「はい」と答えればよいでしょう。これは、本人であることの確認と、任意後見契約公正証書を作ることの意思の確認作業です。

次に、契約の内容について、任意後見契約公正証書を踏まえ、公証人から順次説明があります。

この際、頼む人の耳が遠い場合は「右耳の方へ話しかけてください」とか、目が見えづらい場合、「視力が弱いので、なるべく言葉での説明を多くしてください」などと具体的に要望を出すとよいでしょう。そうしないと、時間が余計にかかり、任意後見契約ができないことにもなりかねませんので遠慮なくお伝えください。

公証人によって内容説明の方法が少し異なります。全文読み上げる人もいれば、要所だけかいつまんで説明する人もいます。「ご自分で内容を確認してください」と黙読を求める人もいます(このパターンは時間が短い!)。

いずれにせよ、頼んだ人と頼まれた人が内容を納得することが重要ですので、「これでいい」「ここがわからない」「やはりここはこうしてほしい」と積極的に伝えることが重要です。言うだけ言えば、あとは公証人の方で修正してくれると思います。

「それでは以上です」となり、ハンコをつき、名前を書きます。その際、指が曲がってハンコが押しづらいとか、名前が書けない場合、公証人が代わりにハンコをついてくれたり、名前を書いてくれますのでご安心ください。

全て終わると、封筒を2部くれますので、頼んだ人、頼まれた人、各々が任意後見契約公正証書を入れ、持ち帰ります。

「それではこれで終了です」となり、立ち上がり、お金を払って公証役場を後にします。少し緊張するので、その後、お茶に行くのもよいでしょう。

公証人が施設等にくる場合も、流れは同様で、挨拶して、内容を確認して、お金を払って終了です。

その後、2週間ほどで、任意後見契約公正証書が東京法務局に登記されます。最近では「登記されましたよ」と連絡してくれる公証役場が増えているようです。公証役場から登記の連絡を受けたら任意後見契約のセッティングはすべて完了です!あとは、認知症にならないよう元気に暮らすのみとなります。