10回の転勤の後、去る日、無事定年を迎えた。入社以来、オリンピック・いざなぎ・列島改造・平成のバブルなどの景気にささえられ、企業戦士として土曜日、日曜日の休みもなく、毎日午前様の生活が続いた。夫婦の会話も有るはずがなかった。そしてその間に生まれた子供もいつのまにか社会人。
57歳になって、会社が主催しての『マイライフ60セミナー(定年後の生き方)』に参加した。セミナーの中で、「定年後の人生設計を書け」といわれて数時間経つも、白紙のままいたずらに時間が経つばかり。
その時、元住友生命常務取締役の金平敬之助さんの言葉が耳に飛び込んできた。

“私は家内を幸せにするために生きています”
“私は家内という一人の人間をしあわせにする喜びに勝る喜びはないと確信します”

堂々と世間に向かって公表してはばからない姿に驚きと感動を覚えた。
妻を幸せにするということはどういうことか。夫婦のコミュニケーションとはどういうことか。

“話を最後まで良く聞く”、“会話を進んでする”、“話に関心を持ちあいづちを打つ”、“感謝の気持ちを態度と言葉に表わす”、“ほめる”、“くどくどいわない”、“気づいたことは口に出していう”、“自分の事は自分でする”、“何でも進んで手伝う”、“相談にのる・する”、“プライバシーは尊重する”

定年後一年が経過した。会社生活と違い一日中顔を合わせる毎日が続く。
お互いの存在を意識しながらも口論の回数は減ってきた。会話が弾む。 定年後の夫婦の付き合い方に付いて夫婦間で差が有る事が浮き彫りになった。

― 三井ホームのアンケート調査 ―
夫は、“妻となるべく一緒にいたい” と50.3%の回答。これに対して妻は、“一緒の時と別々の時をつくりたい”との回答が62.6% でトップ。“一緒にいたい” と回答した妻は、3割弱にすぎなかった。
また、将来不安になることとして、“収入がなくなる” が男女共最も多かったが、二番目は、夫が “時間を持て余す” だったのに対して、妻は “夫が家にいる” だった。
これが現実の姿だろうか。

充実したシニアライフを送るためには夫婦の理解が必要で、助け合いが大切であり、それが出来るのは夫婦しかない。
皆さんの御意見はいかが。


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