1.園芸療法の現状

園芸療法は園芸がもたらす役割や効果を有効に活用して、心身の健康に役立てようとするものであり、日本では比較的耳新しく、現在国内では「園芸療法士」という資格制度が存在しないことからもわかるように、これから体制を整えていくべき分野であります。しかしながら、国内の民間福祉施設においては、すでに「園芸療法」に取り組んでいる施設も多く、それぞれが効果的に上げているとの報告もあり、「療法」として有効であることは明白であり、「育てる」という行為を体験し学ぶことが高齢者や障害者の生きがいづくり、健康づくりにきっかけを与えています。

2.取り組み体制の課題

先に述べたように、国内では「園芸療法士」の資格制度がなく、大学等で専門的に研究されている研究者や、アメリカやイギリスで作業療法的な園芸療法の研修を受け、外国の資格を取得した人々が指導を行っています。
このような専門的かつシステマティックな教育を受けた指導者の絶対数が少なく、この実践にあたっては、それが大きなネックになっています。
また、指導者の数の問題だけではなく、作業にかかわるボランティア体制の不備も指摘されています。

3.グリーンパークの位置付け

古賀グリーンパークは、平成3年度に策定した「古賀町第2次総合振興計画」を受け、平成5年度に「個性あるまちづくり基本計画」では、古賀市内を5つのゾーンにわけ、その1つである「リラックスゾン」における施策として古賀グリーンパークの整備を位置付けています。
第2期整備事業については、高齢社会の到来を踏まえ、市民参加型の健康・福祉・文化公園の建設を目指し、「高齢者・障害者とともに生きる、いきいきワールドこが」をキャッチフレーズに、平成10年度の自治省の「リーディングプロジェクト事業」に選定されました。
その後、平成12年度に策定された「古賀市第3次総合振興計画」においても基本構想、基本計画にグリーンパークの整備を謳っており、グリーンパークを活用することで、保健・医療・福祉・行政が連携を強化し「支え合う地域社会の形成への取り組み」(地域ケア)体制を強化することにしています。

4.グリーンパークでの園芸療法

古賀グリーンパーク第2期事業では、高齢者総合福祉施設に隣接して「園芸療法ゾーン」を計画しており、今後、古賀市緑のまちづくりの会を中心に手作りの園芸療法ガーデンを開設し、シニアボランティアによる運営を計画しています。そのために、大分短期大学 園芸学科 助教授 嶌 紗穂美氏によりアドバイスを頂きながら園芸療法ボランティア育成の指導をお願いしています。
実際の運営については、嶌 先生を中心に作業療法士、緑のまちづくりの会会員、えんがわくらぶ会員の協力を得て実施しようと考えています。
したがって、本年度より「えんがわくらぶ」においても月1回の園芸療法講座を開設し知識・技能の習得に励んでおります。将来的には、広報誌等を通じて広く市民に活動支援を呼びかけることとし、公園オープン後はグリーンパークを活動の拠点として、その効果を古賀市全体に波及させていきたいと考えています。