SLAの小林富佐江さんがご自身の半生を綴り出版した「風に吹かれて」が神奈川新聞(平成13年8月9日)で紹介されました。以下は掲載記事です。

戦争、いじめ、家族の死−。さまざまな困難をくぐり抜けながら、ボランティアを続けてきた相模原市内の女性がこのほど、これまでの歩みをつづった本「風に吹かれて」(かなしん出版、本体価格1,905円)を出版した。青少年の教育改革で奉仕活動の導入が決まったこともあり、これからボランティアをする人たちへのメッセージが込められているという。(柏尾安希子)

出版したのは、平和を願って世界各国に桜を植樹する「グリーンクリーンプロジェクト」の代表や、ボランティアコーディネーターとして活動している同市上溝の小林富佐江さん(64)。
小林さんは、満州(中国東北部)で終戦を迎え、茨城県に引き揚げてきたものの、召集され消息が途絶えていた父親はモンゴルで死亡したと分かった。その後、いじめによる転校も経験し、高校生時代に青少年赤十字に参加。
そこで、アンリ・デュナン章受章者の橋本祐子さんという生涯の師に出会ってボランティアの精神を学んだ。その後、目が不自由な人々のためにアルミはくに字を書くアイデアを思いついたり、フィリピンやペルー、スロベニアに桜を植えるなどの奉仕活動を続けてきた。
同書では、さまざまなエピソードを、写真や当時を思い出して小林さん自身が描いたイラストをちりばめながら描いている。「私は喜んでくれる相手に元気をもらって、これまで生きてきた。訪れた場所には、いずれも戦争のつめ跡や争いがあり、奉仕活動をやればやるほど、平和に祈りをささげる気持ちになる。これからボランティアをする人々に道標を示すような本になれば」と話している。【A5判・314ページ】

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